「俺さ、お前に言いたいことある。
───ごめんな?
好きすぎて困らせたなんて俺ばかだよな……」


俺は裕貴の迫真の演技に目をパチパチさせる。


「んで、たぶん『そんなことないよ…』とか女は言ってくる」


全然さつきに似てないけど。


「そしたら、お前は……」


「はい」


俺を抱き締めた。

うわ、きも。


「『許してくれんなら、お前からキスしてほしいな』って言うわけ。
そしたら、キスしてもらえんだろ?
仲直りもキスもできる!大成功!!」


「なんて高度な……」


てか、近いっつーの!

俺は裕貴から離れようと後ろに引いた。


が、


部活のカバンの紐のせいでバランスを崩し………