朝までぐっすりだったあたしたち。
起きたのは昨日と変わらずの9時。
帰るのは2時の飛行機だから、
国際通りに行くためにも早く行動しなくてはならない。
「渉、起きて!!」
隣でまだ寝ている渉を揺すり起こす。
普段なら心地良く寝ている渉を
無理やり起こすなんてしないけど。
今日は違うんだから!
「んー…、もう10分」
眠いくせに力は強い。
あたしを抱き寄せてきた。
「ちょっと!?」
「柔らけー…」
そこはね、ないようである胸なの!!
セクハラだ、セクハラ。
頬を擦り寄せられて恥ずかしくて
ほっぺが熱くなる。
無意識か意識的にか、
タオルケットの上から顔を押し当てられた。
「や、やだやだ…っ」
タオルケット越しに吐息が感じられる。
「んー……」
唇が当たってるってば!!!!
どうしよう、身体が熱を持ってきた。
あたし変態じゃん。
渉にはそんな気がないのに(たぶん)。
「お願い、起きて」
「舞からキスされたら起きるー…」
なんて奴だ。
でも国際通りに行くためにも!
あたしは渉に唇を重ねた。