やっと家に帰ってきた。 ここが落ち着く。 家で落ち着いたことが少なかったからか尚更浸るものがあるのかもしれない。 舞を抱き締めると、 フワッと音がするような心地だ。 柔らかい髪質 小さい手 伝わる体温 この温もりを誰にも渡したくない。 「舞、好きだよ…」 「あたしも、だよ?」 そう返されてどれだけ俺が喜んでいるのか、舞は知らないだろう。