部屋の中では、机の上に書類を広げている渉がいた。 「渉、上がったよ?」 「んー…」 ちらっと覗くと生徒が書いた志望理由書の添削していた。 「ごめんな、旅行に来るために全部終わらせたかったんだが終わらなかった」 「ううん、お仕事だもん」 それが最近しなかった理由の一つでもある。 渉はあたしを想って我慢していたみたいだけど、あたしも渉の仕事が忙しそうだったから……。 「あー、これこっちだった」 赤いペンで傍線を引いて隣に細かい説明があった。