その日の記憶はない。 兄貴が俺にずっと何か言っていたが、 そんなの言い訳としか見えなくて。 裏切られた悲しみが 俺の心を支配していった。 記念日当日。 ののかとは会っていない。 部屋に閉じこもったままの俺。 両親も心配した。 理由が理由なだけに黙秘を続けた。 兄貴とは顔も合わせていない。 これがズルズルと長引いて、 今日に至る。