「もしもし」 「あっ、輝さん? あたしです、東雲舞です!! ん?仙崎舞になったんだった……」 騒がしい女だな。 でも今の俺にはこのくらいが丁度いい。 静かだとあの日のことを思い出してしまうから。 「明日、頑張って下さい!」 「はいはい、あんたお節介好きだね」 「えぇ!?」 感情を素直に表せるところ、 俺にも兄貴にも欠けてんな。 「あたしは、輝さんを思って!!」 「そりゃぁどうも」 だから、その素直さにこっちが照れるっつーの。