舞side


「ふぅー…、やっと解決しそうだな」


「うん、じゃなくて……そうですね」


まだ学校。

他の先生や生徒に感づかれたら今度こそ終わりだ。


「あ、いつの間にか雨止んでる」


渉に言われて窓の外を見ると、
さっきまでの雨が嘘みたいだった。


「……舞、ほら虹出てるぞ」


「え、どこどこ?」


「あっち」


指を差した方向に身体ごと向けると、
ほっぺに柔らかいものが触れた。


「ほっぺぐらいいいだろ?」


ほっぺに手を当てるあたしに笑いながら言った。


もう…っ、幸せすぎてどうしたらいいかわかんないよ。


「帰るか」


「そう、ですね…」


学校の廊下


虹が架かっている空の下


あたしたちはこっそり手を繋いで車まで歩いた。




          舞side 終