「相川、頭を上げてくれ。
お前だけが悪いわけじゃないのに、この前、ついカッとなってしまった……。
もし良かったら……、輝に会わないか？」


輝に……


私を恨んでいる。絶対に。


でも、今なら謝れる気がした。


逃げずに

私の気持ちを吐き出せるかもしれない。


「わかった、会います」


「じゃぁ、実習最後の前日の夜。
後で詳しくは言うから」


「わかりました…」


渉さんは優しい笑顔でオーケーと言ってくれた。


その笑顔は

いつも見せていた作り笑顔ではなく

渉さんらしい爽やかな笑顔だった。





　　　　　　　　　ののかside　終