「辛気くさい話になったな。
まぁ、東雲は俺のプリンセスだから守らせていただきます」
跪く裕貴くんに少しドキッとしたのは、
渉には内緒にしとこう。
「決勝戦、教師団とだから。
たぶん仙崎を応援するんだろうけどたった1分で構わない。いや、30秒でも。
俺のことも応援して?」
たぶん勝手に渉を目で追いかけてしまうと思う。
だけど、そんな風に優しく言われたら拒否するなんてできないよ。
「わかった。
じゃぁ、1分だけ……1分は裕貴くんだけを見る」
そう言うと、
ガッツポーズで喜んでくれた。
『決勝戦、バレーボールが始まります。
選手、応援の皆さんは体育館へ移動して下さい』
アナウンスが入りあたしと裕貴くんは
空き教室を出た。
「東雲、ふぁいと!!」
「任せといてっ」
裕貴くんの笑顔がキラキラ光って眩しかった。

