「なぁ、弁当って仙崎にも作ってんだよな?」 結局、卵焼き全部を食べた裕貴くんは あたしに尋ねた。 「そうだよ?」 今日の渉のお弁当にも あたしなお弁当と同じ具材が入ってる。 「だよなぁー……。 一緒に住んでんだもんな」 「うん……」 ののかさんはそれも知ってる。 だから実を言うと、 あたしと渉は別居しなきゃならない。 「ごめんごめん。 仙崎の話はしたくないよな」 両手を合わせて謝られ なんか気まずい。