舞side
決勝前の昼休み
裕貴くんの提案により
あたしは裕貴くんの彼女(仮)を演じなければならない。
渉が裕貴くんに相談したなんて
意外だったなぁ。
「おらっ!
元気出さないと抱き締めるぞ」
「裕貴くん……」
あたしが元気ないのわかって
励ましてくれてるんだね。
「二人でご飯とか……。俺、獣にならないように気をつけます」
そう、今は二人っきりで空き教室にいる。
大雅とさつきも裕貴くんから話を聞いたみたいだ。
「うわ、うまそー」
「そう?
じゃぁ、卵焼き1つどうぞ」
「いいの?
よっしゃぁぁ!!!!」
だってそんな目されたら仕方ないじゃん。
「うまっ、やば!」
「ふふっ、ありがとう」

