「あーぁ、やっちゃったわね。
渉さんってばそんな小娘を相手にしなきゃならないくらい溜まっていたの?」


ののかさんは笑いながらあたしを馬鹿にした。


「そんなに溜まっていたならいくらでも相手したのに……。
わかってるわ、きっと小娘に水族館だのなんだの煩くネダられてデートしてたのね」


水族館?


デート?


どうしてそれを?


「あら、あなた知らなかったの?
私、あなたがたを見たの。
それを渉さんに言ったら動揺したわ。
まぁ、その時は『舞』が生徒のあなたなんて露ほども思わなかったけど」


見られていたんだ……


渉はそれを知っていたんだ………


じゃぁ、


「どうして言ってくれなかったの?
ねぇ、渉!」


何でも言う仲じゃなかったの?


渉は、渉はあたしを信じてなかったの?


ねぇ、


あたしに言っても意味なかったから?