一度ドアを閉め、
廊下に出た体を閉めたドアに寄りかけた。
東雲さんには彼氏がいて、
名前は『ワタル』
私はふと思い出した。
───水族館
───クラゲが好き
───渉さんの彼女『舞』
一線で繋がった。
これだと、渉さんが好きでもない赤いネクタイをプレゼントされ着けていること。
そして、動揺した渉さんが『相川』と呼びかけたこと。
全部繋がる。
私は、閉めたドアを少し開けて耳を澄ました。
「渉、好き…」
「俺も、」
よく聞けばたしかに渉さんの声。
「舞、もう二度と庇ったりしないでくれ。危ないことされると俺の寿命縮まる」
今の発言が決定的だ。
私は残りのドアを思いっきり開けた。
ののか side 終

