舞side
「んん……」
目を明けると真っ白な天井が見えた。
鼻を掠めた消毒液の臭い。
「舞、大丈夫か?」
「わ、たる?」
渉の心配そうな顔があった。
「あたし、どうして……」
たしか、ののかさんのボールがさつきに飛んできて……あたしがそれを遮って…、
「そのまま気絶したんだよ」
渉に言われてハッと気付く。
「試合は?」
「さっき終わって勝ったと」
そっか……
良かったぁ。
「良くねぇよ!」
「ひぇっ…」
渉の怒ってる声にビクッとして、
目を瞑る。
「どれだけ心配したか……」
「ご、ごめんなしゃい……」
謝った瞬間温かい腕に包まれた。

