「おっ!いたいた。舞花ー!」

「莉愛!」

待ち合わせの公園に着いた。
走ってきた舞花に莉愛は不思議そうに聞いた。

「何でそんなに走って…………」

「説明はあとっ!!ともかく走って……!」

「はぁ!?いみわかんな……!!」

莉愛は後ろから長い黒髪を揺らしながら追いかけてくる白い女の人を見て情況を察したのか走り出す。

「何あれ!?」

「知らないっ!!」

そんなことに真面目に答える暇なんてない。

「あれって…………ひきこさん!!」

「ひきこさん!?なにそれ…………」

「はぁ?知らないの!?小学校のとき流行ってたじゃん!都市伝説が…………」

小学校?舞花は記憶を小学校のときに戻した。
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教室には男子と女子が真ん中の机に集まっていた。

「なぁ。知ってるか?この町の都市伝説……」

「知らないよ。何の話?」

「いやだー!そんな話止めようよ」

怖がる女子も居たけど、男子は無視をして話し出した。

「この町の土手の手前に人通りの少ない道があんじゃん?あそこで、時々ひきこさんが人を引き殺してるって噂…………見たやつは殺されるんだぜ。」
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「あったね!ひきこさん。本物!?」

「ともかく、逃げようよ!私の家に!」

「あんたん家!?どこ…………」

「ここから真っ直ぐ行ってそこの角を右に曲がったところ!そこに、アパートがあるから!」

「りょーかい!」