優しい光

ガチャッ



「お風呂.....ありがとうございました.....」




お礼を言おうとリビングへ入ると



「あら、美弥妃ちゃん
ほらほら、座ってご飯できてるから」



「いや、ご飯まで....そんな....」



「泊まっていくんでしょ？
それなら、ご飯たべてもらわなくちゃ」



優光のお母さんのそんな言葉に


胸が苦しく熱くなる




こんな母親もいるんだな



うちの親なんて私の事なんて


どうでもいい。

家の恥さらしだ。とでも思ってると思う。



「ありがとうございます....」



テーブルにならんだ


向かい合った4つの椅子に座る



ふわっといい香りがして食欲をそそる


「ほらほら、食べましょう食べましょう」


優光のお母さんの言葉と共に


優光が箸をとりガツガツと食べ始める



私が止まっていると




「ほら、和田さんも食べなよ！」



「え、あ、うん。」



そういい。


箸を手に取り



「いただきます。」



久しぶりにこんな言葉言ったな



今までこんなこと言ったことなかった




口に運んだのは


肉じゃが。



喉の奥に深く染みて


目頭が熱くなる



「っ........」




バレないよう


声を押し殺して目から雫が落ちないよう


目を力一杯開いて我慢した。



こんな、心に染みるご飯なんて


食べたことがあっただろうか



こんなにも、暖かい家庭があること


私だってこんな家で育っていたら


少しはましだっただろうか？