「な、んで…」


 さすがの雪ちゃんもビックリしてる。印はなんと、左手の薬指に赤い紐が巻き付いているのだ。


「ネ♪印が出たでしょ♪」


 そりぁ、出たは出たけど…。


「誠歩、もう遅いから父さんたちは帰る。雪陽くんは娘に着いていてくれるかな?」


「もちろんそのつもりです。一番病院が危ないですから」


「娘を頼んだ」


「はい」


 はいと言った時の雪ちゃんは、一転の迷いもなく言い切ったものなので、思わず見とれてしまった…。