「誠歩ちゃん、信じてないわね」


 そりゃそうでしょ…。


「ママとパパは昔、同じ一族だったの」


 そりゃあ、人間だもん。同じ一族だよ。


「その一族は、普通と少し違うの。妖怪に狙われやすい体質を持っているの」


 パパとママも!?


「パパのせいなんだ。同じ一族どうしで結婚して子供ができれば、強い血筋の子ができるって知っていたのに…。それでもママを愛してしまった」


 さ、最後のセリフ、嘘っぽい…。


「だから、雪陽くんに一緒にいてってたのんでたの♪」


 何で雪ちゃん?


「雪陽くんは、代々私たち一族を守ってくれてる一族の末裔なのよ♪そのなかでも、同じ一族どうしで結婚して生まれた子供だから能力の覚醒がはやかったの♪誠歩ちゃんもだけど♪」


「だからあのとき…」


『闇は闇に帰れ…』


 私はあの時のことを思い出した。


 また怖いこと思い出した…。こ、怖い。