しばしの沈黙のあと、澤田が言う。

「…私は大丈夫。
佐藤が千夏を好きでも、私は佐藤と付き合いたい。
だって、そばにいるうちに、千夏より私を好きになる可能性もあるでしょ。
それに、たくさんの告白を断ってきた佐藤が私と付き合うってことは、周りからみたら、佐藤の本命は私…ってことになるんだもん。他のライバルに対して、かなりの見せつけになるし」

俺には澤田の考えが理解できないが…

「…分かってよ。
澤田がそこまで言うなら付き合おう」
俺はそう答えた。

その俺の返事に、

「ありがとう。
これからよろしくね、シゲ！
あっ！
付き合うんだから、シゲも私のこと、『真由』って名前で呼んでね」

テンションを上げて、真由はそう言ってきた。