私は真由を見つめ、彼女の話を聞いていた。
真由もまた、まっすぐ私を見て話し続ける。

「千夏のことをあきらめようとして、私と一緒の時間を増やそうとしたり、私に優しくしたり…。
そんなシゲを見てられなくて、私から別れを告げたの」

真由が話す事実が、信じられない。

私の存在が、真由と佐藤くんを苦しめていたなんて…

「千夏…。
あなたが傷つけたのは、私とシゲだけじゃないのよ。
あなたの彼氏を小学生のころから、ずっと想っている人がいてね。でも彼は、突然現れたあなたを好きになって、その人はフラれてしまったの。
…今日、その人も呼んでいるのよ。
ねぇ咲智ちゃん」

真由がその人を呼ぶ。
すると、大人っぽい綺麗な人が歩いてきた。

…私、この人とどこかで会ったことがある…