考え込んだ私に、今度は平岡くんが質問を投げかける。

「お兄さんの友達ってことは、けっこう接点があるんじゃないの?
デートしたとか、何かあるんじゃないの?」

「……中1の終わりころに、二人で出かけたよ」

「お~!どこに行ったの?」

「…映画を観て、街を歩いて、ご飯を食べて帰ってきた」

「お~、すごい!
本格的なデートじゃん」

「そうかな…」

「そうだよ!
その後、進展しなかったの?」

「………」

「そんなデート、脈ありじゃん。
告白しなかったの?」

「………」

「告ってれば、うまくいったんじゃない?」

「………」