「ありがとね、付き合ってくれて」
薫にお礼を言う。
「大丈夫、いつでも付き合うよ。
それより、デートの報告、待ってるからね」
「…うん、分かった。
そういえば薫は?
お兄ちゃんとうまくいってる?」
「あぁ、うん、まぁね。
先週、遊びに行って、そのまま春輝くんのマンションに泊まってきた」
「そっか。良かったね、って、えぇ!
お泊りしてきたの?」
ビックリして、聞き返してしまった。

「うん。
だから、もうすぐ千夏が体験するであろうこと、私は一足先に経験済みなんだ」
そう言う薫が、とても綺麗に見えた。
うん。
最近の薫は、いつもに増して綺麗だから、お兄ちゃんとうまくいってるのは分かっていたけど…
一歩先に大人になった薫が、眩しく見えた。