こうして、俺と高野くんの千夏を賭けた勝負がはじまる。

しかし、その前に―

「あの…。
条件を同じくしなくて大丈夫ですか?
佐藤が負けたとき、文句言われたくないので…。
それとも、負けたときの言い訳ですか?」
こんな風に言ってきたのは、もちろんチャレンジャーの高野くん。
まるで俺を挑発するようだ。

「心配してくれてありがとう。
でも、これくらいのハンデがないと不公平だからね。
それに、千夏が賭かっているんだ、負けるわけがないよ」
俺は余裕で答えた。

「分かりました。
では、よろしくお願いします」
そう言って右手を出した高野くん。

「あぁ、こちらこそヨロシク」
俺は高野くんと握手をした。

高野くんの先攻で、フリースロー対決がはじまった。