極上笑顔の上司



会社のうわさは落ち着いて、ひそひそされることなく
スムーズに仕事ができるようになったんだけど・・・
会社に「いい加減、海人と別れなさいよ。」
とか「ブス」
とか、

まぁ、そんな感じの電話が私宛に来ることが何度かある。




「はぁ。」
今日もあるのかなぁ・・・
仕事も進まないし、
もう。

なんなの?
いい大人の女性が・・・暇なの?

そんな悪態をつきたくなっちゃう。



朝なのに、おはよーなんていう気も慣れず、

テンションが上がらないままロッカーを後にする。


「綾菜さん。おはようござい・・・
 大丈夫ですかぁ?

 あっ。
 ちょっと、香川君。

 綾菜さん、ちょっとテンションあがらないから
 コーヒー作っといてぇ!」

利理ちゃんが、遠くから歩いてくる香川君に声をかける。


「綾菜さんっ。朝礼まであと15分ぐらいあるので
 気分転換に、
 外の空気でも吸いましょっ。」