極上笑顔の上司


私は、ワインはよくわからないけど、
部長の選んでくれたワインも絶品だった。

飲みやすいけど、
ちょっと後味も辛くて。


「・・・高梨さん。
 飲みすぎじゃない?」

「そうですかーー?」

楽しくなってきた。
部長も困ったように笑って、
ワインを飲み干す。

海人部長だって飲みすぎじゃないですかー?

でも、全然顔にでないの。


「そだ。
 部長って、
 モテるのに、社員との噂ってないですよねー?
 社員とは寝ないポリシーですか?」

「あはは。うーーん。どうだろ?」

「ごまかしましたね。」

「気になる?」

「うーん。どうだろ?」

ちょっと考えてみた。

どっちでもいいけど、
ウワサの一つもたたないから、
一時期『男好き』っていうウワサはあった。

だから・・・

「うん。海人部長、
 女の子が好きかどうか、気になります。」

真剣に見つめて言った。
海人部長は、
ビックリして、目を見開くと、
ふふふっと優しく笑った。