ふと 綾菜の顔がよぎる。
「・・・
ねぇ、兄さん。
彼女である加藤さん以外の女の子が、
『一回だけ 抱いてください』って言ったらどうする?」
「は?
バカか、俺は 浮気はしない主義だぜ?」
ふんっと バカにしたように笑う。
即答だな。
「まぁ、僕もそうは思うんだけど。
じゃぁ、食事は?」
「うーん 俺の場合 営業職だからな。
食事は・・・行くかもな。」
「じゃぁ、キスは?」
「・・・・キス?
って、お前なぁ。」
何言ってんだ?と 言わんばかりに眉間にしわを寄せて
ふーっと軽く息をはいた。
「・・・なぁ、その質問って、
まさか、綾菜さんにされたのか?」
「え?う、うん。まぁ、」
そうですけど・・・
「はぁ。
その質問をされるあたり、おまえって
ほんと、信用されてないな。
バカだなぁ。
我が弟ながら、残念だな。」
「え?えぇ??」
ヒドイ。

