極上笑顔の上司


兄さんは
ソファに思いっきり持たれて
ふわぁと欠伸をした。


「ってかさぁ、
 お前のいいとこって顔と体だろ?
 さっさと、やっちゃえばよかったのに。」

「え?
 あぁ、そうか。
 その手があったか。」

「・・・・・いや、待て。
 納得すんなよ。
 犯罪すれすれだぞ?」

「もちろん、同意の上だよ。やだなぁ、兄さん。」


「・・・その
 不敵な笑顔がこえーんだよ。」


兄は呆れたように もう一度欠伸をした。


僕も兄さんの隣に どかっと腰かけた。


「綾菜のこと、好きなのになぁ。」

「・・・おい、海人。それってーー」

「なに?兄さん。」

「どの『好き』なんだ?」

「・・・・・・

 ・・・・・・・・は?」