不意に、
距離を詰められて
玄関のドアに思わず寄りかかる。
ちょっと、困ったような
怒ったような、そんな部長。
思わず、見とれる。
見つめあうこと一瞬。
「・・・なんで?綾菜・・」
絞り出すように、つぶやくように
耳元でささやかれるから、
うわぁぁぁって、何かが
足の先から
頭のてっぺんまで駆け巡る。
ドキドキしすぎて
もう、目が回りそう。
「だ・・・だって。
海人部長・・・」
言わなきゃ。
胸の鼓動を聞かないふりをする。
「だって、部長。かっこいいんだもの。」
「・・・・ん??」
わかってない。という感じに、
首をかしげる。
だから、そういう表情も、いちいち きゅんとくる。

