「あら、海人さん。」
「今日も素敵ですのね。」
「いらしてたのね。一緒に飲みましょう?」
「海人さん。
まぁ、私と行きましょうよ。」
なんて、声がかかるかかる。
いつも笑顔の海人部長は、
こんな時でも、優しい笑顔で
やんわりと断る。
っていうか、
きっと私の存在を無視して
声をかけてきてるんだよね。
ふぅ。
思わず顔が引きつる。
ずっと笑顔で・・・なんて、
改めて海人部長を尊敬するわ。
そんな私のため息をよそに、
「ごめんね?
不愉快な思いさせて。」
と、申し訳なさそうに海人部長は私を覗き込んだ。
「ぇ?
えぇぇ。まぁ、」
私など眼中にないみたいな女性たちには不愉快ですが、
海人部長は決して
私に回した腰の腕を消して離すことなく
彼に守られているっていう実感が得られて
それはそれで、
優越感。
って思ったのはナイショ。

