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連れて行かれたホテルは
聞いたことのある、有名なところだった。
どうやら、取引先の合併披露会も兼ねたパーティ
「立食だし、そんなに気負わなくていいよ。」
なんて海人部長は言ってるけど、
もう、
会場に踏み入れた瞬間から、
緊張でドキドキがとまらない。
一番の原因は、
海人部長が何のためらいもなく、
腰に手を回して
優しくエスコートしてくれること。
・・・ち・・近い。
そして、目が合うと
海人部長はにっこりと優しく笑うものだから、
もぉ。いくつ心臓があっても
足りないんじゃないだろうかと思っちゃうっ。
耳元で、
「大丈夫。ただ相槌だけ打っておけばいいから。ね?」
ぽんっと頭をなでられて、
「は・・い・・」
小さく返事しかできなかった。

