「ヒロくん!起きてっ!」
「んぅ~…っ。」
ミノムシみたいに布団にくるまるヒロくんを叩き起こす。
「今日会議でしょ!?もぉ、遅刻しても知らないんだから!」
仁王立ちでスヤスヤと眠るヒロくんを睨み付けると、よちよち歩きながら菜々美が拙い言葉で
「ぱぱぁー。」と呼び掛けた。
その呼び掛けに、
「菜々美~っ!」と、突然起き上がったヒロくんはそのまま菜々美を抱え上げてリビングへと向かう。
…ちょっと。
ちょっとぉっ!!
人がいくら呼んでも起きなかったくせに、菜々美なら起きる訳!?
「ヒロくんっ!」
「ん?どうした、そんな怖い顔して。」
ソファに座りながら
菜々美をあぐらの上に乗せじゃれ合ってるヒロくんがあたしを見上げた。

