「行くぞ。」
あたしの腕を引いたヒロくんは、そのままラブホテル街に背を向ける。
街は広い。
なのに、どうしてその中で会ってしまうの?
これが、運命じゃなければ何を運命と呼ぶのだろう。
ホテル街から少し離れた裏路地で、あたしはやっとこれが現実なのだと理解出来た。
「…っ離して!」
慌ててヒロくんの手を振り払う。
それと同時に、彼の視線があたしに向けられて。
「何なの!?いちいちあたしに干渉しないで!」
思わず口から出た言葉と一緒に、涙が溢れた。
潤んだ瞳で、ヒロくんの顔がぼやける。
「…子供の為か?」
そう言った彼の顔が切なげに歪んだ。
…やめてよ。
そんな顔で、あたしを見ないでよ!
「何がいけないの!?生きてく為には仕方ないじゃん!あんたみたいな金持ちにあたしの気持ちなんかわからないっ!」

