徐々に賑わいを見せる街並を、広瀬さんの腕を組みながら歩く。
「世里菜ちゃん、あのお店本当に辞める気なんだ?」
「…はい、あそこはあたしには合ってないみたいで。」
「そっかぁ。じゃあ、次のお店が決まったらまた教えてね。」
わかりました、そう言って広瀬さんに微笑み掛ける。
広瀬さんとは
いつもあたしを指名してくれてた人で。
ヒロくんよりは頻繁ではなかったけれど
それなりにあたしにお金を注ぎ込んでくれた中の一人。
広瀬さんは小さな印刷工場の社長で
一年前に奥さんと離婚をしたと話してくれた。
収入はそこまで多い人ではないけれど
次の仕事が決まるまではあたしの生活の面倒もみてくれる、そう言ってくれた。
この体と引き換えに。

