キャバ嬢、という仕事は想像していたよりも簡単だった。
もちろん、陰湿なイジメや指名合戦もある。
そんな女の子達には馴染めなかったけれど
それでもお酒を飲みながら男の人と話してるだけで大金が手に入るのだ。
…お金って結構簡単に稼げるんだな。
だけど、そう思っていられたのは束の間だった。
子供を一人で育てていくという事は
生半可な事じゃなくて。
仕事用のドレスや、装飾品、その他もろもろ出費が多い中で
子供の医療費や生活費はかさむ一方だった。
昼間少し寝て、泣きじゃくる子供をあやし、慣れない街並で綺麗に着飾っている自分が限界にきてる事も心のどこかでわかってた。
だけど、もうあの町には戻れない。
ここで生きていくって決めたんだから。

