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「また来たの?」
今日は珍しく赤いドレスを着てる彼女は
俺を見るなり怪訝そうに顔をしかめた。
「いいじゃん。世里菜に会う為にはこうするしかねぇし。」
「……本当、金の無駄。」
「俺が来たら、世里菜だって助かるだろ?」
その問い掛けには答えずに、彼女は黙々と焼酎を作って俺の前に置いた。
他の席とは区切られた俺たちのテーブルは一番奥にあって、仕切りがある為に他の客からはあまり見えない位置にある。
所謂、VIP待遇。
ほぼ毎日店に来てる俺は既にこの店ではVIP扱いって訳。
「そんなに通い詰めてもあんたなんか好きにならないし。」
「さぁ、それはわからないだろ。」
煙草をくわえると
彼女はすかさずライターを差し出して火を付けてくれる。

