冬に咲くヒマワリ




……………


「また来たの?」

今日は珍しく赤いドレスを着てる彼女は
俺を見るなり怪訝そうに顔をしかめた。


「いいじゃん。世里菜に会う為にはこうするしかねぇし。」

「……本当、金の無駄。」

「俺が来たら、世里菜だって助かるだろ?」

その問い掛けには答えずに、彼女は黙々と焼酎を作って俺の前に置いた。


他の席とは区切られた俺たちのテーブルは一番奥にあって、仕切りがある為に他の客からはあまり見えない位置にある。


所謂、VIP待遇。


ほぼ毎日店に来てる俺は既にこの店ではVIP扱いって訳。



「そんなに通い詰めてもあんたなんか好きにならないし。」

「さぁ、それはわからないだろ。」


煙草をくわえると
彼女はすかさずライターを差し出して火を付けてくれる。