冬に咲くヒマワリ




…運命って皮肉だ。


会いたくても、俺と彼女は所詮
キャバ嬢と客って事で。

会う為には店に行かなきゃならねぇし、会えるのは夜の数時間だけ。


金ならいくらでもあるけど、どんなに金を費やしても彼女にとって俺は客の一人だと思うと悲しくなった。

むしろ、そう思われない為にも彼女の店には行かないようにしようなんて考えたりもした。




だけど、結局彼女の事が気になって
俺はまたあの店に足が向いてしまうんだ。


これってやっぱ、彼女が好きなのか?







「あれ…?」

そんな悶々とした日々を過ごしながら、パチンコで時間を潰し、街をふらついていた俺。

見覚えのある姿。
だけどいつもと違うのはその服装だけじゃない。



ベビーカーが、カラっと音を立てる。


「世里菜…?」