「超~綺麗だね、世里菜ちゃんって!」
乾杯を済ませると、俊介が彼女に身を乗り出して言った。
「いえ、そんな事…。」
困ったように首を振った彼女は、確かに俊介が言った通りにすげぇ、美人で。
何て言うか、そのまま消えてしまいそうな
そんな儚さを持ってる。
キメ細かい肌や、ドレスから覗く彼女の腕は
頼りなく、俺の酒を作っていた。
さっきまであんなに不味かった焼酎が
彼女の手に掛かれば、別の酒かと思うくらい美味しくて。
…俺、どうしちゃったんだよ。
意味不明。
つーか、何話せば?
俺、キャバクラでいつも何話してたっけ?
「ねぇ、」
自分の有り得ない戸惑いように困惑しながら
酒を飲んでいたら
透き通るような声が耳に届いた。

