「ヒロ、ちょっと飲み過ぎじゃねぇか?」
ふいに斜めから声が降ってきて、俺はビールをテーブルに置いた。
「俊介こそ、あんま飲んでねぇじゃん。」
「俺は毎日毎日、玲に付き合わされてっから今日は酒は飲まないの!」
こいつは、俺の唯一のダチ。
小学校からの長い付き合いだけど、こんな俺に愛想尽かずにダチでいてくれる。
金しか信じてないけど、こいつなら気兼なく何でも話せた。
所謂、腐れ縁ってやつ。
「その玲、って女とは相変わらずな訳?」
「まぁ、ね。あいつは俺の事、男として見てねぇしー。」
そうは言うものの、俊介は全然悲しくなさそう。
て言うか、10年もその女に片思いしてるなんて
尋常じゃねぇよ。

