…センスわりぃ。
賑わう店内で、天井からぶら下がるシャンデリアを見て思った。
女達が厚化粧の下に、本性という悪魔を隠してオヤジ達に媚びを売る。
たまに聞こえるシャンパンコールや笑い声は、相変わらず耳障りで
俺はそんな雑音を消すように不味い焼酎を喉に沈めた。
ぶぇ。まじぃ。
あからさまに苦い顔をすると
「あれぇ?ちょっと濃かったぁ?」
と、甘い声を出すキャバ嬢。
ついでに女のセンスもねぇキャバクラだ。
「ビール、頂戴。」
耐え兼ねて俺は女に注文すると、ボーイが素早くビールを持ってくる。
それを受け取るなり、乾杯もせずにごくりと飲んだ。
「あたしも何か飲んでもいいですかぁ?」
なんて気色悪い隣の女を無視しながら。

