「ただいまー」
薫と別れて家に帰っても、
案の定、音はない。
「お姉ちゃんは・・・友達かな、」
講義はないって昨日言ってたし。お母さんも遅くなるよね。
家事は私の仕事だから、
一通りの事して、
部屋でごろごろしてた。
カサッ、
取り出したのは、例の紙(笑)
「・・・・・、」
出て・・・・、
出ないで・・・・・、
心臓が、ばくばくいってる。
掛けた先は、もちろん。
・・・作田春馬サンのものと思われる、番号。
薫みたいな、言い方されると掛けてしまう。
ひねくれた私だから。
「っ・・・・。」
・・・purururu・・・・・
1コール・・・
2コール・・・
3コール・・・
・・・・・・・・・。
手が・・・震える。
どうしよう。
でもここまで来たら、もう戻れない。
『もしもし・・・・?』
・・・出た・・・・!
受話器越しに聞こえたのは、
テレビとかで聞いてた、
紛れもなく。
・・・作田春馬の声。

