「待たせてごめんね？」
「ええよ・・・？」
ホッとする春君の笑顔。
「久し振りやね。」
「・・・うん。」
呼び出しといて、何話すか決めてない。
少し先を歩く春君を、見たら、
どうしようもなく辛くて。
「好き。」
止まらなかった。
「・・・もっかい言って。」
そう言って振り返った春君は、
泣いてた。
初めて見た春君の涙。
「・・・っ、笑美こっち来て」
「・・・？」
春君の所まで歩いてったら、
勢いよく、
苦しく、
強く、
切なく、
思い切り抱きしめられた。
「っ････笑美や、笑美やな･･･」
涙の混じった声で、
そう抱きしめられたから。
「･･････っ！」
私まで泣けた。
春君の温もりに。
涙に。
素直になれなくて。
遠回りして。
でもやっぱり、
春君じゃなきゃ。
笑美じゃなきゃ。
・・・君じゃなきゃダメなんだ。
