「っ・・・・・!」


何で・・・何で春君が居るの?


久し振りに会った春君に、


理性が吹っ飛びそうになった。


私の意気地のなさが、


私の意地が、


一番大事なはずな


自分の気持ちの邪魔をする。


━好きならぶざまでも滑稽でも


━素直になれよ


・・・後悔は、したくない。


色んな人の想いを、


・・・無駄には、したくない。


「すいません、」


「・・・はい。」


春君は、まだ私だって気付いてない。


「十時には上がるんで・・・待っててくれますか?」


「え・・・あ、はい。」


決死の覚悟で言った言葉。


もう変な理屈とか抜きにして、
やっと、


・・・やっと素直に


好きって思えた瞬間だった。


「笑美」


「りゅーくん?」


トイレから出て来た竜雨君と、
偶然顔を合わせた。


「竜雨君、ありがとね。」


「・・・どういたしまして、」


笑美のその笑顔で何となく、
全部分かった気がした。


春馬の言う通り、


笑美の笑顔は


『やばい!』


な。