「私行くわ〜」
「えっ?笑美帰っちゃうの〜?」
「うん。またね〜」
静かに部屋を出た。
『ありがとうございました〜』
その言葉にカラオケボックスを出ると・・・
「優・・・」
多分バイトから帰ってきたんだ・・・。
「お前・・・帰んの?」
「ん・・・バイト。」
「そっか・・・」
間に流れる沈黙。
痛い沈黙・・・。
「あの時・・・ごめんな?」
「え・・・?」
「あの時・・・さ、」
俯きながら、呟くように言った。
「ううん・・・私も、ごめん。」
「悪いと思うんならさ、自分の気持ちに素直んなれよ」
今度は私の目を見て。
「うるさいなっ」
「うるさくねぇよっ」
二人で目を見合わせて笑った。
「じゃあなっ!」
握った手を
“コンッ”
とぶつけて。
お互い別の方を歩きだした。

