何も言うてへんかったけど。


やっぱり分かっててんな。


・・・さすがやな。


だてに何年も一緒に居らんわ。


「俺・・・演技力あってよかったわ。」


笑美の前で、あんな風に気持ち抑えられて。


「何でやねんっっ・・・!」


涙でぐしゃぐしゃになりながら、竜雨君が叫んでる。


「こうするしか・・・なかったんよ。」



・・・こうするしか。




いつかドラマで見た。
《好きだからこそ、別れる》
ってゆーの、信じられへんかった。
好きなら一緒に居ったらええやんか。
って・・・。
けど、今なら分かる。
こうするしかないねん。
・・・こうするしかないねんな。


【好きだから、こそ。】