「・・・うん。」
━運命。━
そんな言葉に頼れるなら、
私は信じたい。
赤い糸みたいに、細いのはやだ。
もっともっと・・・・。
強いモノで結ばれているような。
そんな運命でありますように。
生まれ変わっても、
あなたにまた、恋が出来るような
そんな運命でありますように。
「じゃーまた明日!!」
「うん。じゃあね!」
春君のマンションのちょっと前。
きっとまだ、春君は居ないだろうけど。
合い鍵を使って家に入る。
暗い部屋。
「ただいま・・・。」
帰ってくる事のない返事。
でもいつものクセでつい言ってしまう。
本当は、『おかえり』って迎えたいんだけど。
今日は帰らなきゃ。
「今のうちに・・・っと。」
疲れて帰ってくる春君の為に、
おみそ汁とか、
焼き魚とか、
サラダとか。
最低限のモノを用意する。
作ってる時だって、いつも頭にあるのは
『おいしい♪』
って食べてくれる春君の笑顔。
あの笑顔を見ると、
会えなかった時間なんか関係なくて、
辛い事なんか全部忘れられる。
魔法の笑顔。

