あの日、電車に乗って…
まっすぐ、まっすぐ…

この場所に行かなければ私はどうなっていたんだろう。
こんなにも愛せる人と出会えなかったのだろうか…



「じゃあ、もう一回同じところから!」
先生の声。楽器の音。みんなの気持ちが一つになる。
私はこの部活が大好き。
私の名前は野崎 奏(のざき かなで)

この華岡中学校の吹奏楽部は全国大会常連校。
そして私は、この中学校の吹奏楽部に憧れて入部した。
そして、今ではパーカッションパートのトップ奏
者にまでになった。

もうすぐ、高校生との合同練習がひかえている。
その高校は、吹奏楽がとても有名だった。
明日、その高校の定期演奏会がある。
私は、毎年のように行っているので今年も行くことにしていた。

次の日、電車に乗って、まっすぐ、まっすぐ進んだ。
会場につくと、凄い行列があった。
さすが、有名校。
受付を済ませて席をとると、あと1分で開始時刻だった。
辺りをキョロキョロしていると、真っ暗になって一曲目が始まった。
パーカッションのソロがある曲。