いつしかその傷さえあった事を忘れてしまった時に・・・。 「お母さんたちから、連絡あった??」 「まだ。2人で楽しんでんだろ??旅行」 「そっか。そうだよね」 姉貴が、ふふッと笑った。 天使みたいな微笑。 手放したくない微笑。 後ろを振り返った。 今、ちょうど俺の後ろにある窓から、大きな夜空が見えた。