当て馬ならし

「竜の伝説はどこで聞いたの?」
知識の出どころが気になって
聞いてみる。
「殆どは本」
そういってこの書庫を見渡す
「あとは商人とか」
他国の派手な英雄譚はまだしも
ファルゴアの竜の伝説が
書かれた本があるとは
思えなかったけど
「ファルゴアも、もしかして本?」
ちょっとした期待を込めて聞いてみる
彼は、わざと残念そうな顔を作って
首を振る。

ですよねぇ・・・
ファルゴアは小国ですよ、
わかってたけどしょぼんとする。

本に書かれてたら
我が国もなんか有名になったっ!
て気がしたんだけどなぁ・・・
有名にはならないかぁ・・・

それよりも、私の当て馬姫伝説の方が
先に書籍化されそうで怖い・・・
考えるとちょっと落ち込んだ。

「眉間の皺」
冷静な声がかかる
はっ!
眉間の皺は老化の先駆け!
あわてて眉間をコシコシとこする。
すると彼はククっと
今度は机に突っ伏して笑っている。

和らいだ空気が心地よくて
私も笑った。