「うん、さらに“ホールド”だよ?
 足をいきなり氷で固定だよ」
ベルは少し魔法の事も勉強している。
王妃になるための基礎知識だという。
しかし、突然現れた黒い影に
魔法をかけられたベルは
なんとなく、危機感はなかったという。

そんな風にいきなりベルの行動を抑えても、
危害を加えてくる気配はない
「なにより、おねぇちゃんしか見てないの。
 そのコウモリ男・・・」

ベルに魔法かけて
その後は迷いなく私のベッドの横に
しゃがみ込んで
魔方陣を展開し始める。

ちょっと失礼だなって思いながらも
ベルは大人しくしていた。
「魔法かけられて、
 寝てるおねぇちゃんが幸せそうに
 ・・・・笑ったの」
だから、これはおねぇちゃんの為に
なる魔法だって思ったという。

ふっと魔方陣が消えて、
ベルにかけてあった魔法も解けた。
「ちょっとあんただれ?」声を抑えて
早速聞ベルが聞くと
彼は自分がこの国の第二王子だと言った。

ベルの事もちゃんと知ってて、
突然の無礼を詫びた。