ハトナはゆったりとした口調で
真面目に語りだす。
「そして、私がラル様の想いが
叶ったらいいと強く思ったのは・・・」

ジフェルに私が連れ去られた時の
事だという。

手紙が功を奏して
ジフェルの容疑が固まった。
自室を探ると研究所へのポータルが
開いており、確実にジフェルが
内密に大きな仕掛けをしている事が分かった。

結局、アンチマジックフィールドが
展開してたため、こちらでも
大規模な魔術を仕掛けて
ジフェルの出方待つことに決定した。

それをラルが私に
直接伝えようとしてくれたらしい。

でも、部屋には私はいない、
探し回って昼食のバスケットが
魔術師塔の近くに落ちてるのを
見つけたハトナが
不安を抱えてラルに相談したという。

「お顔が真っ青になられて、
 至急、森の中の隠された洞窟へ
 兵を派遣するように
 王に掛け合っていらっしゃいました。」
それでも、他国の姫もいる中、
大規模な兵を動かすわけにもいかない。
対応がなかなか決まらず、
ラルはイライラしていた。

その時である、魔術師塔の中庭付近の
地面が光に包まれた。